Affinityが無料化されたことで、「Canvaと連携させて使ってみたい」と考えている方も増えているのではないでしょうか。
実際、CanvaとAffinityの間には連携機能が用意されていて、データを行き来させることができます。
すずのりここで勘違いしやすい点があります。
「連携できる」というのは、「同じデータをAffinityとCanvaの両方で使い回せる」という意味ではありません。
Canvaで作ったものをそのままAffinityで編集できる、逆にAffinityで作ったものをそのままCanvaで編集できると、考えてしまいがちですが、実際に触ってみると、そのようにはいきません。
この記事では、実際に両方のツールを使いながら確認した「できること」「できないこと」を整理し、CanvaからAffinityへのデータのやりとりの実態と、併用方法を紹介します。
【15秒でわかる結論】Canva(PDF)から Affinity連携時の注意点
- フォント: 同一フォントがないと代替置換され、文字溢れ・レイアウト崩れが発生。
- エフェクト: 影や袋文字は粗い画像に分解(ラスタライズ)されるか無効化。
- 回避策: Canvaでは「文字装飾なし」でダウンロードし、エフェクトと文字調整はAffinity側で行うのが最速。
なお、Affinityそのものの機能やCanvaとの違いについては、以下の記事で詳しく紹介していますので参照ください。


CanvaとAffinityは連携できるが、完全互換ではない
CanvaとAffinity間のエクスポートは次の通りです。
Canva → Affinity
PDFで書き出してAffinityで開きます。ただし、フォントの置き換えやレイアウト崩れが起こることがあります。
Affinity → Canva
データを渡すことはできますが、1枚の画像データ(png、jpeg)として素材としてCanvaに渡すだけで、それをCanvaで直接編集できるわけではありません。
Canvaで作成したものをAffinityで開くとどうなる?


Canvaで作成したものをAffinityで開くには、一度Canvaからダウンロードする必要があります。
ダウンロードするファイルの種類によって違いがありますので、解説していきます。
PDFでダウンロードした場合
Affinityで編集したい場合は、CanvaからPDF形式でダウンロードしてAffinityで開きます。
実際に開いてみると、要素によってそのまま使えるものと、見た目や編集状態が変わるものがあります。Canvaで編集していた状態のまま、Affinityでも編集ができるわけではありません。
要素を一つずつ見ていきましょう。
テキスト




Canvaで指定したフォントが、お使いのパソコンにインストールされていない場合は、他のフォントに置き換えられますが、テキストとして編集できます。同じフォントがパソコンにもある場合は、見た目もそのままテキストとして編集できます。




Canvaでネオンのエフェクトをかけたテキストは、Affinityでは1つの画像に変換されていました。画像なので編集できません。




Canvaでドロップのエフェクトをかけたテキストは、テキストそのものと、エフェクトの2つに分かれ、テキストはフォントが変換されてますが、編集はできます。ピンク色のドロップのエフェクトは画像に変換され、編集はできません。




Canvaで、テキストの背景にブルーの長方形を配置しグループ化しました。Affinityではグループ化は解除され、テキストは編集できます。ブルーの長方形はサイズ変更やカラー変更はできます。グループ化が解除されただけです。
写真




Canva上で何も編集していない写真素材は、Affinityでもそのまま1枚の画像として読み込まれます。




Canvaでフレームを使った写真は、Affinityで開くと「写真素材」と「枠の役割をするクリッピングマスク」の2つのレイヤーに分かれます。
イラスト
Canvaで色を自由に変更できるイラスト素材(ベクターデータ)








Canvaで色を自由に変更できるイラストは、Affinityで開くとパーツごとに細かく分解されます。PDFやPSDなどを経由してAffinityで開いた際に細かく分解されてしまう現象で、1つの素材ではなく、細かくバラバラに分解された状態(複数のレイヤーやパス)になります。ベクターデータとして取り込まれるため、開いた後も色の変更や拡大縮小などの編集が可能です。
Canvaで色が変更できないイラスト素材(ラスターデータ)




Canvaで色が変更できないイラスト(ラスターデータ)は、Affinityでもパーツ分解されず、そのまま1枚の画像として読み込まれます。
PDF出力時の「要素別」変化をまとめてみると次の通りです。
| 素材の種類(Canvaでの見分け方) | Affinityで開いたときの状態と操作性 |
|---|---|
| 色を自由に変更できるイラスト | パーツや線ごとに細かく分解される 色変更やパーツ単位での移動・サイズ調整が可能 |
| 色が変更できないイラスト | 分解されず1枚の画像のまま読み込まれる 全体の移動・拡大縮小はスムーズ(パーツごとの色変更は不可) |
| 編集(加工)していない写真 | 最初から1枚の画像のまま読み込まれる 通常の写真データとして位置調整や拡大縮小が可能 |
| フレームを適用した写真 | 写真とクリッピングマスク(枠)の2レイヤーに分かれる 枠の形を保ったまま、中の写真の位置や大きさを後から微調整可能 |
| PCにフォントが入っている文字 | 見た目もそのままで文字データとして読み込まれる 文字の打ち替えやサイズ・フォント変更などの再編集が可能 |
| PCにフォントが入っていない文字 | PC内の別の代替フォントに自動で置き換わる 文字幅や形が変わるため、改行位置のずれや文字のはみ出しなどレイアウト崩れが発生しやすい |
| Canvaで付与したエフェクト効果 (文字の影・ドロップシャドウ等) | 素材自体は読み込まれるが、エフェクト効果の再編集機能は消失する 文字や画像自体は残るが、影やぼかしなどの効果パラメータは外れるか別画像化するため、再編集は不可 |
Canvaで作成したアイキャッチ画像を、Affinityで開く例を、具体的にみていきましょう。
アイキャッチ画像の例


Canvaのテンプレートを元に、アイキャッチ画像を作成しました。ファイルの種類を「PDF」にしてダウンロードします。
ダウンロードしたファイルをAffinityで開きます。
Canvaで指定したフォントがAffinity側にない場合


AffinityでPDFファイルを開くときに、このように、PDFオプション画面が表示されます。
同じフォントがないと、ページビュー上に「四角の×マーク」で表示されます。
無いフォントはどのフォントに置き換えるのかを指定します。


フォントを置き換えると、文字幅や形が変わるため、文字のはみ出しなどレイアウトが崩れています。この例では日本語の文字が右にはみ出てしまいました。


文字レイアウトが崩れてしまった場合は、フォントを指定し直して、文字間や配置を整えます。


Canva上ではの1つのマイクのイラスト素材が、Affinityで開いた際に細かくバラバラに分解された状態(複数のレイヤーやパス)になってしまいました。
Canvaで指定したフォントがAffinity側にもある場合


フォントを置き換えるメッセージは表示されません。


Affinityで開きましたが、文字のレイアウトは崩れていません。


文字の部分をクリックすると、フォントが「Noto Sanz JP」と表示され、Canvaで指定したフォントと同じ状態のままAffinityで開けました。
レイアウトの崩れがないので、かなり互換性が良いのではないでしょうか。
SVGでダウンロードした場合


Affinityで開くと、文字が一文字ずつの画像データになってしまい、編集できません。
PNG・JPGでダウンロードした場合


1枚のアイキャッチ画像画像として開かれるだけです。編集はできません。
Affinityで作成したものをCanvaで開くとどうなる?
Affinityのメニューの中に連携機能としてCanvaデザイン形式で書き出す機能があり、とても便利です。


Affinityで作成した画像です。
背景は空の写真、テキストは縁取りやシャドーなどで装飾、イラストはそのまま配置しています。


この画像を、PNG形式で「Canvaデザイン」を選んで書き出します。


書き出したファイルがCanvaに送られてCanvaが開きました。
しかし、テキストの縁取りやシャドーなどの装飾はぐちゃぐちゃになってしまいました。
テキスト本体部分の編集はできますが、縁取りやシャドーなどの装飾は画像になって編集はできません。
イラストや背景写真はそのままの形で送られ、拡大縮小、移動ができます。


レイヤー構造がどのようになっているのか、確認してみると、イラスト画像はそれぞれが別レイヤーになっていますが、テキストは細かく分かれ、何が何だかわからなくなっています。
ここでわかることは、Affinity側で作成した効果は、Canvaでは無効になってしまうようです。
私ならAffinityとCanvaをこう併用する
Canvaの魅力は、なんといっても豊富なテンプレートと素材です。
これらを活かして、Canvaで作成し、そのあと、細部をAffinityで作り込むことが、両ソフトのメリットを活かした使い方ではないかと思います。
Canvaで大枠を作る→Affinityで仕上げる
実際の使い方
CanvaからPDFでダウンロード、Affinityで開きます。


Canvaで作成した画像をPDFでダウンロードします。
テキスト関連はAffinity側で作り直しますので、テキストは暫定的に置くだけです。


PDFファイルをAffinityで開くと、同一フォントがなかったため、文字は崩れてしまいました。Canvaで文字にドロップエフェクトをつけましたが、薄暗い影画像になってしまいました。


テキストとエフェクトはすべて削除して、Affinity側で新しく作り直します。
文字のフォントを選び直して、一つずつ調整するよりも、作り直した方が早いです。


Affinityで文字を作成し直しました。Canvaではつくりづらいエフェクトを、Affinityで作成しました。
生かせるもの
Canvaで考えたレイアウトや、デザイン全体の大枠。
そのまま使えないもの
フォントや文字。文字はAffinityで作り直します。レイヤー構造も同じ状態では引き継がれません。
実用上の位置づけ
Canvaをラフ作成に使い、Affinityを完成場所にします。
Canvaでデザイン案を作る→Affinityで一から作る
実際の使い方
Canvaで構成や配色を考え、その画面を見ながらAffinityで作成します。


Canvaには素材が豊富にあります。それらをつかって、ラフスケッチのように、デザインアイデアをざっくりと作成します。
このファイルはダウンロードする必要はとくにありません。「こんな感じで作ろう」とアイデアとして使います。


Canvaで作成したアイデアを参考に、Affinity側で一から作成します。
生かせるもの
レイアウト、配色、素材の組み合わせなどのアイデア。
そのまま使えないもの
Canvaで作成したデータそのもの。
実用上の位置づけ
Canvaをアイデアを固める場所、Affinityを制作する場所として使い分けます。



CanvaとAffinityを併用する際、私が一番よく使う方法です。
Affinityで写真を加工する→Canvaで素材として使う
実際の使い方
Affinityで写真をイメージ通りに細かく加工し、完成した画像をCanvaへ渡します。


写真をイメージに近づけるために、色味、トーンなど、細かく設定をします。


Affinityで編集した写真をCanvaに書き出して、Canvaで写真素材として利用します。
生かせるもの
明るさや色味の調整、切り抜きなどを終えた写真。
そのまま使えないもの
Affinityのレイヤーや調整内容。Canvaでは続きから編集できません。
実用上の位置づけ
写真加工はAffinity、全体のレイアウトはCanvaと役割を分けます。
Affinityで素材を作る→Canvaで素材として使う
実際の使い方
吹き出し、矢印、図形、アイコンなどをAffinityで作り、素材としてCanvaへ渡します。


Affinityには、吹き出しや、アイコンなどがツールとして用意されていて、簡単に作りやすいです。
それを、「Canvaデザイン」で書き出してCanvaに送ります。


Canvaでは、自分のよく使う素材集として、利用します。
生かせるもの
完成したオリジナル素材。
そのまま使えないもの
Affinityのレイヤー構造や、細かな編集状態。
実用上の位置づけ
Canvaだけでは作りにくい素材をAffinityで補います。
元データはどちらか一方に置き、もう一方へ渡すのは素材または仕上げ用、くらいに考えて利用するのが良いでしょう。
CanvaユーザーはAffinityを使う必要がある?
Affinityが無料になったからといって、すべてのCanvaユーザーが覚える必要はありません。
テンプレートを使って短時間で画像を作成でき、Canvaだけで作りたいものが完成しているなら、無理に使うソフトを増やさなくてもよいと思います。
Canvaだけで十分な人
→ Canvaで作りたいものが完成している
一方、Canvaを使っていて、次のように感じることがあるなら、Affinityを加える価値があります。
Affinityを併用すると便利な人
- 文字の縁取りや影を、もっと細かく調整したい
- 写真の切り抜きや加工を自由にしたい
- オリジナルの素材を作りたい
- テンプレートっぽさを減らしたい
このような「ここがもう少し自由に編集できたら」が出てきたとき、Affinityが役立ちます。
ただし、今までみてきた通り、CanvaとAffinityと同じ状態で編集を続けられるわけではありません。二つのソフトの役割を分け、Canvaだけでは作りにくい部分をAffinityで補う使い方が現実的です。
Canvaを使っていて「ここがもう少し自由に編集できたら」と感じるようになった人にとって、無料のAffinityはかなり有力な選択肢です。
CanvaからAffinity(PDF連携)でよくある質問・トラブル解決
- Canvaで作成したデザインをPDF形式で書き出し、Affinityで開くとテキストのレイアウトが崩れたり文字溢れが起きる原因は何ですか?
-
主な原因は、Affinity側にCanvaと同じフォントがインストールされていないことによる「代替フォントへの自動置換」です。フォントが変わることで文字幅や行間が変化し、テキストフレームから文字が溢れてしまいます。Canvaで使っているフォント(Noto Sansなど)のローカルファイルをAffinityがあるPCにインストールするか、Affinity側でテキストを打ち直すことで解決します。
- Canvaのテキストエフェクト(影・袋文字・ネオンなど)をかけたままPDF出力してAffinityで編集できますか?
-
編集可能なテキストとしては読み込めません。Canva独自のテキスト装飾は、PDF化の際に解像度の低い画像(ラスタライズ)に分解されるか、装飾自体が無効化されます。テキスト装飾を保持したまま仕上げたい場合は、Canva側では「装飾なし」で出力し、エフェクトはAffinity側で掛け直すのが最速かつ最も綺麗な方法です。
- Canvaから書き出したPDFをAffinityで開いた際、写真やイラストなどの画像素材は個別レイヤーとして編集できますか?
-
はい、編集可能です。ただし、Canvaの「フレーム」に設定した画像や「写真の編集(エフェクト)」を適用した素材は、Affinity側で複数のレイヤーに細かく分解されて読み込まれます。必要に応じてレイヤーのグループ化(ラスタライズ)、不要なパスの削除を行って整理するか、画像の加工は最初からAffinity側で行うのがスムーズです。
まとめ
CanvaとAffinity、この2つのソフトは「完全につながった編集ソフト」というわけではありません。
むしろ「得意分野の違う2つのツールを、データでつなげられるようになった」と捉えると、関係性がぐっとわかりやすくなるかもしれませんね。
- 相互にどこまで編集できるのか、実例での確認
- ファイル形式によって何が残り、何が失われるのかの比較
- 実際にどう併用すればいいのか、具体的な方法
「連携できる」の一言だけではわからなかった部分を、具体例をもちいてご紹介したことで、CanvaとAffinity、それぞれの強みを活かした使い方が見えてきたのではないでしょうか。
Canvaユーザーであれば、Affinityは無料で使えます。
ちょっとでも興味がわいたなら、実際に触ってみることで、自分に合うかどうかが一番早くわかるかもしれませんね。使い方については、こちらの動画も参考にしてみてください。

